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1月11日分の、令和6年能登半島地震で大きな被害を受けた石川県珠洲市での、「災害ボランティア 愛・知・人」さんと連携して実施している支援活動についての現地から報告です。

この日の炊き出しは、クリームシチュー250人分を準備しました。
金沢で調達した食材も含めて、ジャガイモ、鶏肉、人参、エリンギ、ブロッコリー、タマネギを使いました。
ジャガイモは137個も使用しています。
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現地に入られている赤十字の医療チームやDPATの方々にも炊き出しを食べていただいたそうです。
DMATに続き、DPATの方々も現地では増えてきたとのことです。
※DPATとは、Disaster Psychiatric Assistance Teamの略で、自然災害や大規模な事故、犯罪事件などの集団被災後に被災地域に入り、精神科医療および精神保健活動の支援を行う専門的なチームです。被災地域では精神保険医療機能が一時的に低下し、さらに災害ストレス等により新たな精神的問題が発生するなど、精神保険医療への需要が拡大するため、DPATがニーズの把握、他の保健医療体制との連携、関係機関とのマネージメント、精神医療の提供を行います。長期にわたる避難所生活では、非常に大きな役割を果たすチームです。
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夕方には、飯田小学校にケバブのキッチンカーがやってきて、炊き出しをしてくださったそうです。
川口からやってきたトルコ出身のクルド人の方々で、去年のトルコ地震でお世話になったお返しだそう。
巡り巡って届けられた善意が非常にありがたいです。
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その後、市役所から連絡が入り、急遽、能登半島の北端の折戸地区の避難所へ炊き出しを届けることになりました。
ここは先日まで孤立していた地域で、温かいものを殆ど食べられていなかったとのこと。
40名ほどの方々が避難されていましたが、無事シチューを届けることができました。
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その道中では、富山湾を挟んだ対岸の立山連邦がきれいに見えました。
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またこの日は、避難所の先生のご厚意で、閉店間際の自衛隊のお風呂に入ることができました。
湯船ではみなさん優しい顔になる一方で、会話は非常にリアルなもので、今後の先行きがいかに大変かが感じられたとのことです。
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翌日、チーム・ユニコンのメンバーは一旦能登を離れましたが、チーム・ユニコンでは引き続き能登半島地震の被災地への支援を継続していきます。
活動の内容については、随時こちらのブログ・SNSで報告していきます。

1月10日分の、令和6年能登半島地震で大きな被害を受けた石川県珠洲市での、「災害ボランティア 愛・知・人」さんと連携して実施している支援活動についての現地から報告です。

この日は、珠洲市の岡田地区のビニールハウスの避難所で炊き出しを行いました。
このビニールハウスはもともといちご栽培を行なっていたそうで、今は25名の方々が生活されています。
炊き出しの内容は、焼きそば40人分ほどでした。
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珠洲市の状況ですが、市役所では罹災証明書の受付が始まっていました。
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社会福祉協議会には、全国から災害派遣医療チームDMAT(Disaster Medical Assistance Team)の方々が集結されていました。
※DMATとは、医師・看護師・業務調整員で構成され、大規模災害などの現場に急性期(おおむね48時間以内)から活動できる機動性を持った、専門的な訓練を受けた医療チームです。阪神・淡路大震災での初期医療体制の遅れといった教訓を生かし、各行政機関・消防・警察・自衛隊と連携しながら救助活動を行えるよう、厚労省により平成17年4月に日本DMATが発足しました。
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また、市役所と社会福祉協議会には、それぞれトレーラートイレ(男性用は故障中だったようですが)とトラックトイレが設置されていました。
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一方、珠洲市に到着した時点では倒れかけていたもののなんとか立っていた電柱が、折れて倒れてしまっていました(写真は倒れる前と、倒れた後)。
電線は路面に散らかったままとなっており、バリケードとなるテープ等も貼られておらず、支援の手が回ってきていない現状が浮き彫りとなっています。
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また、車で通りかかった珠洲市の宝立町は、かなり多数の家屋が倒壊等の大きな被害を受けていました。
報道でもありましたが、通称軍艦島とも呼ばれている見附島も、大きな被害を受けていました。
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引き続き能登半島地震の被災地への支援を継続していきます。
活動の内容については、随時こちらのブログ・SNSで報告していきます。

1月9日分の、令和6年能登半島地震で大きな被害を受けた石川県珠洲市での、「災害ボランティア 愛・知・人」さんと連携して実施している支援活動についての現地から報告です。
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この日は、2日ぶりに巡回の給水車が来てくれ、長い列ができていました。
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この日の炊き出しは味噌おでんでした。卵は700個。
ユニコンから提供した赤味噌も使用しました。
これから飯田小学校で「みんなのこども部屋」を開設される「認定NPO法人カタリバ」さんの方々もご一緒されました(子供の預かりや居場所支援を目的とした「みんなのこども部屋」の詳細はカタリバさんのFacebookにも記載があります)。
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炊き出しを実施している飯田小学校ですが、この日はもともと始業式が行われるはずだったそうです。
また、避難所から会社へ今年の初出勤される方もいらっしゃったそうです。
この地震がなければ、と思わずにはいられません。。。

自衛隊さんのお風呂の設営も着々と進み、この日に入浴支援が実施されたそうです。
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この日は、必要な資材・食材の調達等のため、愛・知・人チームは一旦金沢へ移動しました。
翌日以降も、引き続き支援継続の予定です。
また、チーム・ユニコンが「NPO法人 MAKE HAPPY」さんと連携して作成しているポリ袋から作る医療用ガウンが、避難所のトイレ掃除などで必要とされていることがわかり、今後の現地への輸送についても検討の予定です。

引き続き能登半島地震の被災地への支援を継続していきます。
活動の内容については随時こちらのブログ・SNSで報告していきます。

1月8日の朝、一旦雪は止んでいたそうです。
「災害ボランティア 愛・知・人」さんと連携しての、令和6年能登半島地震で大きな被害を受けた石川県珠洲市での支援活動について、1月8日分の現地から報告です。
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この日も炊き出しを実施。メニューは白身魚の雑炊でした。
300食と多めに作り、お代わりできるようにしています。
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午後、25人の方がビニールハウスを避難所にして生活されている岡田地区へ。
こちらに雑炊60食を届けました。
こちらの地区には車中泊をされている方もいらっしゃるとのことで、その方々へも雑炊を配るそうです。
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その岡田地区のビニールハウス避難所のすぐそばで、大規模な土砂崩れが発生していました。
家が1軒埋まってしまっているそうですが、2023年の地震の影響で他の家に住まわれており、ご無事だったそうです。
この場所では、その地震の復旧工事が始まったばかりで、作業を実施していたユンボも埋まってしまっていました(3枚目の写真)。
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路面の雪のせいでスタックする車両も。
この日はバキュームカーがスタックしているのを見つけましたが、ハイエースで引っ張るも救出できず、自衛隊のトラックを呼んで救出することができました。
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炊き出しを実施している飯田小学校のグラウンドに、自衛隊さんが仮設のお風呂の設営を開始されました。
少しでも早く稼働してくれるといいなと思います(その後、1月9日に入浴支援が実施されたそうです)。
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引き続き能登半島地震の被災地への支援を継続していきます。
活動の内容については随時こちらのブログ・SNSで報告していきます。

引き続き、「災害ボランティア 愛・知・人」さんと連携しての、令和6年能登半島地震で大きな被害を受けた石川県珠洲市での支援活動について、現地からのレポートをもとに報告します。

周辺の様子は、昨日(1月7日)の時点では、未だガソリンスタンドに50台超の大行列ができていたりするようですが、点灯した信号もあったりと、少しずつ改善に向かってはいるようです。

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ガソリンスタンドの長蛇の列

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復活した信号

自衛隊の給水車や物資の輸送も到着しています(物資搬入の写真は1月6日のものです)。
が、雪の影響で、給水車は3時間遅れの到着となったとのこと。
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昨日実施した炊き出しは、魚とツミレのお汁でした。
魚は給食に使われるはずだったものを受け取って使用しています。
午前から昼過ぎにかけて、250食を準備ました。
また、午後4時から、昼間は家の片付けをしていて夕方戻られた方々のために、同じメニューを100食準備しています。

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物資を届けてくださった自衛他の方々にもお裾分け。
自衛隊の方々からは、6日ぶりにちゃんとしたものを食べた、とのコメントがあったそうです。
過酷な環境の中、本当にお疲れ様です。
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夜には雪がひどくなったそうで、今朝(1月8日)には13cmほどの積雪となりました。
雪で道路の状態が把握できず、運転にはますます注意が必要となっています。
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別働隊は、富山県の高岡市社会福祉協議会さんと射水市社会福祉協議会さんを訪問し、現状を確認しつつ、これまでに作成した医療用ガウンを100着ずつお渡ししました。
高岡市は一日50人くらいでニーズ対応を行なっていくようです。
一方、被害の大きかった氷見市では1日400人規模で募集をかける予定のようです。
これらの地域での災害ボランティア活動への参加についても、先方の受け入れ状況を見ながら検討していきたいと考えています。
(下の写真は射水市の災害ボランティアセンターの様子です)
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引き続き能登半島地震の被災地への支援を継続していきます。
活動の内容については随時こちらのブログ・SNSで報告していきます。

 

あけまして、の後の言葉を紡ぐのに躊躇するくらい、新年早々、非常に大きな地震が発生してしまいました。
亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。また、被災された方々へ心よりお見舞いを申し上げます。

すでに多くの団体が災害支援に現地入りしていますが、チーム・ユニコンも現地での支援を開始しており、その第一弾として、三城理事長のチームが1月5日に東京を出発し、能登へ支援物資の運搬を行なっています。

既に現地入りしている連携団体の「災害ボランティア 愛・知・人」さんから、現時点で不足しているもの・必要なものを聞き取ったところ、運搬前日の段階では、無洗米(100kg)、水2ℓ×24本、灯油40ℓ、レトルト食品できるかぎり運んでほしい、とのことでしたが、その後改めて入った連絡では、道路の復旧が多少進んだようで水が大量に届き始めたため、水とレトルト食品は不要となり、それらの代わりに味噌30kg、顆粒だし6kg、トイレ用凝固剤200回分、醤油2本、灯油40ℓ、無洗米100kgが必要とのことだったので、それらを購入しました。加えて、在庫で持っていたウエス、簡易トイレ、ポリ袋で作った医療用ガウンも積みこんで、19時に東京を出発しました。
現地ではガソリンスタンドにも行列ができているのということなで、復路用に携行缶にガソリンを40ℓ充填しています。

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運搬した支援物資

東京を出発後は、かなり荷物を積んでいたことや、関越・上越の高速道路の凍結の心配もあり、安全運転で進み、富山県射水市に翌午前2時頃、その後、七尾に午前5時に到着しました。
その後、愛・知・人さんのアドバイスを受けて、七尾到着後すぐ、渋滞がひどくなる前に七尾を出発しました。その時点でも、渋滞ではないなりに既にそれなり長い車列ができているような状態でした。
暗中悪路の走行でしたが、前の車のブレーキングを参考に運転し、珠洲市を目指しました。
道路もかなりの被害を受けています。
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移動中、震度5強の余震が発生しましたが、運転中だったのでそれ程揺れを感じず、そのまま運転を続け、目的地の珠洲市飯田小学校の避難所には7時過ぎに到着しました。
到着後に話を聞くと、余震は相当大きな揺れだったそうで、避難所から出てくる方々から、これで金沢に避難する決心ができた、本当に怖かった、という言葉が聞こえてきました。

現地に到着して周囲を確認すると、至る所で大きな被害を受けていることがわかりました。
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海沿いでは、津波により大きな被害を受けていました。
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到着後は、昼の炊き出しの準備のチームと、孤立集落というほどではないものの避難所に入るのが難しい地域から受けたリクエストに応える形で支援物資を届けるチームに分かれ、作業に当たりました。

支援物資を届けるチームは、30世帯くらいの直地区(ただちく)へ物資を届けました。
その地区の集会所は支援物資の配布先に先日登録したばかりということで、まだ物資が不十分だったため、飯田小学校にいた災害ボランティア団体にヘルプ要請が来たということのようでした。そこで、その集落でヘルプ要請をされたお宅に、地区で分配出来るほどの量の食糧や水、灯油などを持って伺いました。
現地で町会長さんを紹介していただき、地区の状況を伺ったところ、既に4世帯ほど金沢に出て行ってしまっていましたが、残った殆どの方が避難所には入らず、自宅避難をしたり、寝泊まりだけは集会所に来ているという状況とのことでした。
集会所に行ってみると住人の方が十数名いらして、先程届けたもの以外にも色々不足している物があることが判明しました。そこで、すぐに市役所に出向き掛け合いましたが、大規模支援用物資を正規の配送ルート以外で配布することが難しいが、個人篤志家から寄せられてた物で希望する物があれば、それをピックアップして届けても良いということで交渉が成立しました。
それを受けて、愛・知・人さん所有のプロパンガスと五徳と共に、数々の要望品を備蓄倉庫となっている体育館からピックアップして集会所に届ける事ができました。

炊き出しチームは、愛・知・人さん、避難されている方の有志の方々と、しっぽくうどんを250食作りました。
正月に食べられなかったかまぼこを大量に使用したため、鮮やかな見た目になっています。
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現地では大きな被害を受けており、多くの支援が必要な状況です。
一方、現地へのアクセスが制限されていることや、他の地域でも大きな被害を受けていることから、連携する団体と連絡をとりながら、アシスト瓦作成などの遠隔での支援も含めて、どのような活動ができるか考え、継続していきたいと考えています。
活動の内容については随時こちらのブログ・SNSで報告していきます。

学生さん達が冬休みに入った頃合いにあわせて、12月24日に川崎市麻生区にて第1回アシスト瓦作成会を開催しました。
この日は、アシスト瓦の作成を実施しつつ、また、医療用ガウンの材料も残っていたため、医療用ガウンの作成も併せて行っています。
(医療用ガウン作成作業はNPO法人MAKE HAPPYさんと連携を取りながら実施しており、完成したガウンは医療・保険機関や介護事業者の皆さまへお送りしております。)
今回は、初めてご参加頂いた1名の方を含めた4名の方にご参加いただき、アシスト瓦を11枚、医療用ガウンを持ち込みを分と合わせて40着、それぞれ作成することができました!

アシスト瓦は、地震や台風で損傷した屋根瓦の応急修繕に用いられる、段ボールと防水シートで作る簡易的な瓦です。
地震や台風で屋根瓦が被害を受けた際、屋根の広範囲で瓦が被害を受けていた場合にはブルーシート等での応急的な対応が必要となりますが、一方で、屋根瓦の被害が局所的な場合には、壊れた屋根瓦をアシスト瓦に差し替えることで、ブルーシートを貼るよりも比較的簡易な作業で応急処置ができ、雨漏りを防ぐことができます。
また、屋根に張ったブルーシートの経時での破損の大きな原因の一つである風によるバタつきが、アシスト瓦では発生しずらいというメリットもあります。

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アシスト瓦の実際の使用例

アシスト瓦の作成会は今回が初めての実施ということもあり、手探りの部分も多くありましたが、意外と30cm x 30cmを切り出せる大きな段ボールが少ないことや、大きな防水シートから必要なサイズを切り出すことが思ったより大変なことに気づいたり、作成・検品の過程でどこが間違えやすいのかを認識できたりと、たくさんの気づきがありました。
次回以降は、今回の気づきをもとに、よりスムーズな作成・運営ができると思います。
年の瀬も押し迫る中ではありましたが、ご参加いただき、ありがとうございました!

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アシスト瓦作成会の様子

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完成したアシスト瓦

今後も、学生さん達の長期休みにあわせて作成会を実施していきたいと考えています。
開催が近くなりましたら改めてご連絡致しますが、本活動にご興味がございましたら、ボランティア活動申し込みフォーム(ここをクリックしてください)を通じてご連絡いただければ、今後の予定や活動の詳細についてお知らせできると思います。
また、作成会当日は出入り自由ですので、ご都合が良い時間に是非ご参加ください。

このブログが本年最後のブログのアップになります。
今年は残念ながら非常に災害の多い年となってしまい、毎週のように全国各地で水害が発生し、大きな被害を及ぼしていました。
チーム・ユニコンも、それらに対応すべく様々な地域で活動を実施してきました。
来年こそは災害の少ない年となって欲しいと祈りつつ、一方で、多くの災害を引き起こしている原因の一つである温暖化がそう簡単に収まるとも思えず、来年も引き続き、災害が発生してしまった際には被災地に寄り添えるような活動を継続していきたいと思います。

本年も多くの方々に大変お世話になり、ありがとうございました。
皆様、良いお年をお迎えください。
来年も引き続き、どうぞよろしくお願い致します。

台風7号の接近に伴う8月14日からの豪雨により大きな被害を受けた京都府綾部市にて、綾部市災害ボランティアセンターさんが主催となり、「災害ボランティア 愛・知・人」さんの赤池代表と、「Team BーDash」さんの藤丸代表を講師にお招きして、11月11日・12日に「災害ボランティア技術講習会」が開催され、チーム・ユニコンからも三城理事長が参加しました。
綾部市は、今回の豪雨により全壊5件、一部損壊10件、床上浸水37件、床下浸水195件、敷地土砂流入10件と大きな被害を受けていますが(9月20日時点での綾部市災害対策本部からの報告による)、2018年の西日本豪雨でも土砂崩れや河川の氾濫の被害を受けており、5年で2度も大きな災害の被害を受けた地域での防災力を高めなければならないと考えた綾部市社協さんが今回の講習会を企画され、同市で継続的に活動されていた上記2団体に協力を依頼し、開催されたそうです。

講習会では、綾部市での最後のニーズとして残っていた、床剥ぎをして泥土をかき出した和室にコンパネを貼り直すという作業が残っていたお宅が会場となりました。
このお宅にもこれまで上記2団体が作業に入り、丁寧な作業を実施してくださったことで信頼を寄せられていたこともあり、社協さんからの講習会の提案にも快諾してくださったそうです。

講習会の内容は、養生貼り、床の釘抜き、床下からの泥だし、大引・根太のブラッシング・養生の大切さを理解するためのブラッシング、インパクトドライバーやテッポウ(エア釘打ち機)の使い方の練習、床下等の泥水を吸い取るバキュームの練習でした。
2日間でのべ15名の方が受講され、それぞれの作業の意味や要諦を教えながら作業を進めていきました。
そんな中で、三城理事長も養生→釘抜き(床剥ぎ)→泥だしについての講師を割り振られ、部分的ではありますが作業の講釈を務めさせていただきました。
座学や模型とは異なり、実際の現場で作業を実施しながらの講習は、作業の目的や意味を実感しながらのものとなり非常に有効であると感じ、また、工具を使った作業では、何度も納得がいくところまで作業を繰り返し上達していく参加者の皆さんの姿が非常に頼もしく感じたそうです。
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初日の夜は、愛・知・人さんのメンバーとの夕食でしたが、そこでは、社協さんの職員の方がおでんを大量に炊いてきてくださった上に、その場でお蕎麦を打ってくださり、楽しい宴となったそうです。
その中の会話でも、地域防災への強い思いや、長くこの地方に寄り添ってきた愛・知・人さんへの絶大な信頼感を感じられたそうです。
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京都府綾部市では、このニーズを終え、災害ボランティアセンターは平時体制に戻ったそうです。

チーム・ユニコンの次の活動は、12月2日に川崎市の新百合ヶ丘駅周辺で開催される「令和5年度 第2回麻生区総合防災訓練」になります。
HPのトップにもお知らせがございますので、そちらもご確認ください。

10月29日にも福島県いわき市にて災害ボランティア活動に参加しました。
いわき市災害対策本部の10月12日時点でのまとめによれば、いわき市は今回の台風13号による9月8日の大雨により、全壊3棟、大規模半壊46棟、中規模半壊173棟、半壊545棟、一部損壊696件、床上浸水1,261件、床下浸水481件と非常に大きな被害を受けています。

今回は現地で活動したチームからのレポートをもとに報告します。

午前中は内郷白水町にて、お宅の庭に流れ込んだ流木の撤去作業を実施しました。
この周囲ではこちらのお宅のみが被害を受けたそうです。
新川に流れ込む支流が決壊し、作業したお宅周辺が川の水の通り道になってしまったようで、床上70cm程度までは浸水したとのことです。当時、人は住んでいなかったので良かったと仰っていました。
庭には、川から流れてきた大きな流木が何本もあったので、それらを撤去していきます。
また、それらの流木が川沿いの道のアスファルトを剥がしてしまい、それらが一緒に庭に流れ込んできて溜まってしまっていたため、アスファルトを崩して流木を取り出したりもしました。
重機が入らないと難しいアスファルトの撤去は見送りとなりましたが、流木の撤去作業は午前中で完了しました。

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川が溢れた地点。ここから流木がアスファルトを剥がして流れていったよう

 

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白水町・作業前の様子

 

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白水町・作業前には、削られて流されてきたアスファルトの上に流木が溜まっている様子も。

 

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白水町・作業後の様子

 

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白水町・集めた災害ゴミ

午後の作業は、好間町にて、お宅の横の空き地と裏の泥だしと、そのお隣の流木の廃棄でした。
作業したお宅の付近では好間川の支流が氾濫し、このお宅の前に通じる橋のところから川の水が溢れ、また、橋から作業したお宅の方に向かって道路が下り坂になってるのですが、その道路を溢れた川の水が流れてそこも川のようになってしまい、このお宅やご近所一帯で床上・床下浸水の被害を受けてしまったそうです。
午前中は早稲田大学の女性たちが作業をしていたそうで、その続きを実施しました。
なかなかの厚みの泥が残っていましたが、応援を頼みつつ、なんとか作業を完了できました。

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好間町・川が溢れた地点

いわき市では、ニーズの94%が完了したとのことで、ようやくニーズは収束してきたようです。
今後は、他の地域を含めて必要とされる地域での活動を実施したいと考えています。
活動の内容については、適宜ブログやSNSで報告していきたいと思います。

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いわき市災害ボランティアセンターにて

10月22日にも福島県いわき市にて災害ボランティア活動に参加しました。
いわき市災害対策本部の10月12日時点でのまとめによれば、いわき市は今回の台風13号による9月8日の大雨により、全壊3棟、大規模半壊46棟、中規模半壊173棟、半壊545棟、一部損壊696件、床上浸水1,261件、床下浸水481件と非常に大きな被害を受けています。

この日の午前中は、内郷地区の綴町での活動でした。
こちらのお宅は主要道路から分かれた急な坂道の途中にあり、背後がすぐ山になっていました。
川よりかなり高いところなのに、と思ったのですが、家主さんにお話を聞いたところ、被災当日山からの鉄砲水がやってきて、一気に建物に水が入ってきたそうです。
前週活動した地域でもそうでしたが、川からのみならず、山からの水での被災が多かったようです。

このお宅での作業は、家の中の状況を把握するための、大きなソファをはじめとした家財の搬出と、畳の搬出でした。
発災から時間が経っていたこともあり、ある程度乾燥が進んでいる場所もあるとは言え、床板が湿って波打っており、根太・大引きの上を歩かないと床を踏み抜いてしまう様な状況でした。
床板を踏み抜かないよう気をつけながら、奥の部屋からソファや他の家財を、家主さんに保存するかどうか確認しながら家の前まで搬出しました。

その後、手前の部屋の畳を家の外に搬出しました。
畳には砂利が付いて湿っていたものの、一人で運べる程度には乾燥が進んでいました。
畳を上げてみると、やはり床板は湿っており、油断すると踏み抜いてしまうような状態となっており、また、一部は根太も被害を受けている状態で、床下には山から流されてきたであろう土砂も堆積していました。
この状況に家主さんもショックを受けておられましたが、この状況をその場でボランティアセンターに連絡したところ、技術系ボランティア団体へと繋ぐこともできることでしたので、家主さんにその旨お伝えしました。
その後、ボランティアセンターから家主さんにすぐに連絡があったそうで、その話を聞いて家主さんの表情も少し明るくなったように感じました。
もちろん、被災したお宅のリフォームにはかなりの額のお金が必要となるため、すぐに床板を張り直す判断をするのは非常に難しいのですが、ボランティアセンターや技術系ボランティア団体と話をしながら、よりよい方向に進んでいくといいなと思います。

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山から鉄砲水が一気にやってきたそう

1件目の作業が午前中で完了したため、お昼ご飯を食べた後、2件目に向かいました。
必要な資機材の運搬の都合からチームを組み直し、前回の活動の際に気仙沼以来の再会を果たしたUさんと同じチームで活動しました。
午後の活動は好間町にて、住宅の裏側の川が溢水した後に、住宅の裏の畑などに残ったゴミの片付けでした。
この地域は上流に以前炭田があったこともあり、様々なものが流れてくるそうですが、今回も木片やプラスチック片、空き瓶等、様々なものが流れてきていました。
なるべく元の状態に戻るよう、それらのものを集めて、分別しながら袋につめていきました。
このお宅のご主人は腰が悪いそうで、そんな中でも頑張って草刈りまではされたものの、そのために腰痛が悪化したことで、ゴミの片付けをボランティアに依頼したそうです。
そんな中でも、活動の終わりの方には我々の作業を見に来てくださり、いろいろな話を聞かせていただきました。

ゴミの回収については今回で終了しましたが、かなりの量の川砂が畑の周りに入ってきており、それらの撤去を実施するのか、また、それをボランティアセンターに依頼した方が良いのか家主さんが悩んでいらっしゃったので、ボランティアセンターに申し送っておくので、必要であれば遠慮無く改めてニーズを上げて欲しいとお伝えし、この日の活動は終了しました。
ボランティアセンターでの申し送り後、ボランティアセンターがすぐに連絡を取ってくださり、一旦市と相談し、その結果をみてからニーズを依頼するかもしれない、と家主さんがおっしゃっていたこと、ボランティアにとても感謝されていたことを伺い、少しでも先に進むお手伝いができたことがうれしかったです。

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川沿いに溜まったゴミ

活動終了後は、いわき湯本の「さはこの油」さんでお風呂を頂いて東京に戻りました(ありがたいことに、いわき市ではボランティアへの入浴支援を行って下さっており、避難所に避難されている方、浸水や土砂崩れ等でお風呂が使えない方以外にも、いくつかの入浴施設では10月31日まではボランティア参加者も入浴料が無料あるいは割引となっていました!)。
また、東京に戻る前には、いわきや福島の他の地方の日本酒を買い込んで帰りました。

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帰りに寄ったさはこの湯

いわき市では、社協さんのローラー作戦で多少ニーズは増えたものの、この日も多くのニーズが完了し、ようやくニーズは収束してきたようです。
一方、今回の活動を実施したお宅でも新たなニーズが発生する可能性があったこともあり、今後もニーズが少ないながらも出てくることも考えられることから、チーム・ユニコンでは残ニーズの様子を見ながらいわき市での活動を継続したいと考えています。
今後の活動の内容については、適宜ブログやSNSで報告していきたいと思います。