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滞在最終日

2019年10月7日(日)。

鋸南町災害VCでの運営支援サポートも、7日目のこの日で自分の滞在も最終日になりました。
多数のスタッフが早朝に集合し、連絡事項等の伝達後、各パートにて業務が始まります。

被災者の生の声

災害VCスタッフとして被災者の方々にお電話をさせていただく機会も多いのですが、お電話口で状況を伺うと、本当に深刻な状態であることを知ることができます。

高齢者の被災者の方々も大変多く、息子さんや娘さんにご連絡を差し上げることも多いです。ご子息の方々の家屋も被災された上に、被災された親御さんのご自宅の処理もしなければならない過酷な状況を訴えて来られた方もおられました。体力的にも精神的にも限界に近い状態であることが電話口からも伺えました。

それでも、訪問されたボランティアの方々や、VCでご相談を受けるスタッフ、自分たちのようにお電話口で話されることで、救いになっているとおっしゃる方も複数おられました。自分たちの作業が、被災した家屋の処理に力を注いでおられる住民の方々の支えに少しでもなっているようでしたら、スタッフとしてとても嬉しく思います。

学び

反省点も山ほどあります。でも、自分の行ってきたことが被災者の方々の支援の一助となっていたら幸いです。
一週間という短い期間ではありましたが、鋸南町の災害VCでの体験を通して学んだことは計り知れないです。

(つづきます)

1週間お世話になった担当部署

ボランティア受付再開

2019年10月5日(土)。

前日の豪雨により、この土曜日が新たなVCでのボランティアさんの受け入れ再開の日となりました。

土日は平日より受付時間が早くなります。早朝にスタッフが集合し朝礼が行われます。

各担当からの連絡をし、業務のスタートとなります。

全国各地から鋸南町へいらしたプロボノさんが、屋根のブルーシート貼りや補修等の高所作業や、倒木伐採等のチェーンソー作業に入られます。

一般のボランティアの皆さんも、被災物撤去等の作業をされます。

 

ボランティア受付の流れ

まずボランティアさんが来所されると、ボランティア作業の全体的な説明があり、次に作業のマッチングが行われます。そして地図にて現場を確認し、必要な道具や機材とともに現場へ向かいます。

VCには水や清涼飲料水、パンやカップめん等もあり、自由に利用していただいています。

お昼の休憩時にセンターに戻られ食事をされる方もおられます。

午後の作業を終えられたプロボノさんやボランティアさんが作業終了の報告をされます。

案件がこの日で完了したか、それともまだ残っているかの連絡を受けます。

 

全国各地からの支援

プロボノさんは、佐賀県の被災地と千葉を掛け持ちされている方もおられます。

ご自身の仕事の合間に千葉へ来られ作業をされる方も多く、ありがたいですし、本当に頭が下がります。

皆さんお一人お一人の善意が大きな力となり、被災地が復興に向けて進んでいきます。

VCでそれを肌身に感じながら過ごしています。

(つづきます。)

世界チャンピオンが来所

2019年10月4日(金)。

実はこの日、朝の豪雨のためにボランティアの募集は中止となったのですが、一転して晴れた午後に、当初より予定されていた海外からいらしたボランティアさんの受け入れを行いました。

そのボランティアさんとは、元プロボクサー、世界ヘビー級チャンビオンの、イベンダー・ホリーフィールド氏です。

瓦の撤去作業

ホリーフィールドさんのグループの方々には、被災者のお宅の瓦の撤去作業をしていただきました。

撤去された被災物は2トントラック2台分になったそうです。ニーズの依頼をされたお宅も、やってきたボランティアが世界チャンピオンで驚いたのではないでしょうか。

地元の子どもたちとの交流

作業後、鋸南幼稚園、鋸南小学校を訪問し、お菓子、果物、毛布の差し入れしていただき、子どもたちと交流を楽しまれたそうです。

優しいお心遣いが嬉しいです。

またお会いできる日まで

「まだまだ支援が必要な現状を感じた。今後とも同様の活動を続けたい。」との言葉、とても嬉しいです。被災地の力になります。

ホリーフィールドさん自身はVCの中までは来られなかったので、お会いできずに残念でしたが、今回来日されボランティア作業にご参加いただいたことを本当に感謝いたします。

波乱の幕開け

2019年10月4日(金)。
新たな場所に移転した鋸南町災害ボランティアセンター。この日は新たなオープンになるはずでした。
ところが、朝からの大雨。雨脚はどんどん強くなってきます。横殴りの豪雨です。
結局、この日のボランティア受け入れは中止となりました。

止まない豪雨

気付くとセンター前の駐車場は川のようになり、今にも車が水没しそうです。
急いでドライバーさんは駐車場所を移動。
職員は降り注ぐ豪雨で川のようになった外を眺め続けるしかありません。
自然の脅威と人間の無力さを痛感します。風害に遭った地域のサポートをしているのに、今度は水害の脅威が近づいています。もう雨水はセンターの入り口近辺まで来ています。このまま降り止まなければ、浸水も時間の問題です。
  

そして青空……

ところが、幸いにもだんだんと雨脚が弱くなり、しばらくすると豪雨もすっかりおさまりました。
そして、完全に雨が上がり快晴に。太陽が顔を出しました。しばらく前の豪雨が信じられない青空です。
川のような水もみるみる減り、とうとうなくなりました。
自然と言うものは、なんと自分勝手なものなのでしょう。驚きしかありません。

 

ニーズ受付の再開

ボランティアの募集は中止しましたが、朝から一転し快晴の午後は、地元の被災者の方々が相談にみえました。
僕もニーズの確認作業に戻り、被災者の方々への確認の電話を続けます。
「こちら災害ボランティアセンターです。朝からひどい雨風でしたね。屋根のブルーシートの具合はいかがですか。雨漏りなどなかったですか。」と状況を伺います。
「はい、おかげさまで雨漏りもなく、助かっています。」
「シートで補修してもらったんだけれど、今の雨で壁の端っこから水が漏れてきたんです。」
被災者の方々のお返事はさまざまです。
こうして確認をしていると、連絡したこと自体に感謝してくださる被災者の方も多く、恐縮します。
ボラセンには被災者の方々から数多くのニーズがあり、それはすぐに解決できるものばかりではありません。状況は本当に千差万別です。紙の情報だけでは分からないことも実に多いでうす。ですから、実際に話しを伺いニーズを整理して解決へ向かって準備をするという、この業務の重要性を実感するのです。

波乱の幕開けとなった新たなボラセンの初日のお話でした。
(つづきます。)

2019年9月から10月にかけての一週間の話を綴っております。

災害ボランティアセンターの移転

鋸南町の災害ボランティアセンターでの運営サポートも3日目を迎えました。
ボラセンはJR安房勝山駅にほど近い鋸南町役場の2Fにありましたが、一駅離れたJR保田駅にほど近い、「鋸南町保健福祉総合センターすこやか」へ移転しました。
その引っ越し作業は10/3~5の三日間。自分の担当部署は二日目の朝から移転を開始しました。引っ越し作業の間も電話でのお問い合わせや、ボラセンにいらっしゃる住人の方々がおられるので、担当の方はその対応も続けながらの作業になります。

鋸南町役場

台風でひしゃげた町役場の駐輪場

安房勝山から保田へ

私は先発隊で新しいボラセンへ移動しました。多くの方々が来館されるので、
館内に養生ビニールを敷いたり、届いた荷物を部署ごとに分けたり、こまごまとした作業を行いました。
町役場より面積は狭くなりますが、きれいな建物に、住人の皆さんやボランティアの皆さんをスムーズにご案内できるよう、試行錯誤が繰り返されます。

新しい災害ボランティアセンター

台風15号による倒木

新しいボラセンの建物の前の一角に倒木を見つけました。かなり太い幹です。強風の威力は想像を超えています。

引っ越し最終日

4日目。
引っ越し最終日ですが、大部分は完了に近く、社協の皆さんは、ボランティアさんや住人の皆さんを想定した練習が行われています。これも滞りなく終了したようです。
私は前日より、データベースに関する作業を続けています。受付再開までには終わらせたい作業なので、地道にひとつずつ進めていきます。

準備万端で翌日の受け入れ再開を迎えます

 

いよいよ翌日から新たなボラセンにて受け入れが再開されます。
この場所が、これからの鋸南町の復興の拠点となるのです。
(つづきます)

鋸南町での災害VC運営支援②

千葉県鋸南町の災害ボランティアセンターで運営のお手伝いをさせていただいた一週間のことを書いています。

宿舎の窓の外には内房の海が広がっています。

自転車で海岸沿いを走るのはとても気持ちがいいです。

ですが、役場へ向かう道すがら確認できるほとんどの住居の屋根にはブルーシートが敷かれています。家の壁が壊れている住居も見られます。

安房勝山駅の駅舎の屋根も被災しており、ブルーシートで補修されています。

駅前のとある建物は、シャッター自体が破壊されています。シャッターが壊れるほどの強風……、想像するのも難しく、恐ろしいです。

 

住人の皆さんの生の声

鋸南町役場へ到着。

昨日引き継いだデータベースの確認作業を続けます。

住人の皆さんとお電話でお話をさせていただく機会も多いです。

自分が担当している業務は、VCにいらした住人の方々と直接相対する機会が少ないので、被災された方の実際のお声を伺えるのは貴重な機会です。

どの方も住居は多大な被害に遭っておられます。それでもどの方も非常に冷静にご対応くださいます。災害VC側に気づかいのお言葉をいただくことも多くあります。

より一層責任感を感じ、業務を進めます。

この日はユニコンから1名作業に参加しました。データベースやニーズ受付表の整理や確認業務を行いました。

 

千葉県の地魚

午前中の業務を終え、休憩をします。

二日目のこの日は、地元のお寿司屋さんを訪れました。

地魚8貫と、イワシが丸ごと入った味噌汁、ごはん、デザートが付いたセットを注文しました。

店主の方が、寿司ネタの魚の名前が書かれた紙を渡してくれます。

「サワラ、イワキ、キビレ、カツオ

ハマチ、スズキ、メジナ、タチウオ」

寿司下駄に置かれた位置の通りに書いてあります。

キビレという魚の名前は知りませんでした。

メジナも珍しいですね。

ネタはどれも素朴な甘みが感じられて美味です。

「うちは地元のネタにこだわってるから。」と店主の方が言われるのもうなずけます。

助け合いの大切さ

午後も、社協の方々やユニコンメンバーとともに、データベースの確認修正業務を続けます。

業務の間にも、他の担当部署の方からの質問や確認に答えることも多くあります。

これまでの自分は被災地の現場で作業をする側だったので、VCサイドでの作業を通して初めて知ることも多く、とても勉強になりました。

VCでは、多くの様々な立場の方々の助け合いにより、運営が維持されています。

何ごとにも「助け合い」の精神は本当に大切です。そういうことを学んだ一日でした。

(つづきます。)

皆さまへのご報告が大変遅れましたことを、お詫びいたします。
この度、台風15号による被害を受けた、千葉県安房郡鋸南町のボランティアセンターの運営支援に行ってまいりました。
9/29(日)の夜現地入りし、10/6(日)まで務めました。

9/29(日)鋸南町入り

9/27(金)より、三城理事長が鋸南町役場の災害VCに入りました。
作業内容は、被災者からのニーズをデータベースの整理と修正作業です。

そして、9/29(日)に作業を終えた理事長が軽トラで東京まで迎えに来てくれて、僕も鋸南町へ入りました。
その際、僕の自転車も一緒に運びました。
自転車を持参した理由は、運転免許を持っていない私がVCと宿泊所の間を移動するためです。

台風15号の爪痕

翌朝、鋸南町を自転車で走りました。
安房勝山駅の近辺は、畑が広がり山に囲まれた自然あふれる場所です。

ほとんどの家屋の屋根は、ブルーシートで補修されています。
屋根や壁が損壊した家屋が多く、無傷の家屋を探す方が難しいほどです。
小学校の門扉等、レール式の門はほとんど壊れています。
壊れている柵やガードレールもあります。倒木も見られました。相当の強風だったことが想像できます。

畑でも、グラスハウスのガラスは破損し、ビニールハウスも骨がゆがみ、ビニールもはがれた状態です。

そんな様子を確認しながら畑のあぜ道で自転車を走らせていると、すれ違う小学生の子供たちは「お早うございまーす!」と明るく挨拶を交わしてくれます。
空気もきれいで山々が美しい町に、ブルーシートの青い屋根の家並みが果てしなく続きます。
     

鋸南町役場の災害VC

鋸南町役場へ到着し、VCの方々とご挨拶をしました。
これまで自分は体を動かすボランテイア作業でのみ関わってきたので、どの方がどういった担当なのか全く分かりません。
朝礼があり、VCがオープンします。

三城理事長から、担当する作業の説明を受け、引き継ぎを行います。
被災された住人の方々からの訴えの内容を、係が「ニーズ受付表」に記載します。
案件の内容は、破損した屋根のブルーシート掛け作業、被災物の片付け、運搬、倒木の伐採等、一般のボランティアで対応可能な案件から、職人さん等が対応しなけらばならない案件まで多岐に渡ります。
内容によっては県や自衛隊、消防が対応する案件もあります。
それらの受け付けたニーズが、すでに作業が完了しているのか、未完了でまだ継続しているのかが大切です。
未完了だとしたら、何の作業が残っているのか等、そういったことが重要になってきます。
すでに完了しているのに再び現場まで行ってしまったり、未完了なのに完了扱いになってしまっていたら、トラブルやクレームにも発展しかねません。
そういったことを未然に防ぐために、データベースでの確認作業は地味ながらとても大切な作業なのです。

鋸南町グルメ

昼休み。
三城理事長のおすすめということで、役場近くの「住吉飯店」へお邪魔しました。
名物は「えびそば」。量も海老の数もデカ盛です。食べても海老も量も減りません。
写真の野菜の下に大量の海老が隠れています。

災害VCのつとめ

午後も同様に一軒一軒確認作業が続きます。
そして夕方になり、夕礼です。
この日の夕礼では、いろいろなことが勉強になりました。
現場ではさまざまなアクシデントが起こり得ます。
「聞いていたことと違う」「行ってみたら指示されていたことと違っていた」などの行き違いが生まれることもあります。

被災された住人の方と、全国各地からいらして下さるボランティアの方と、VCセンターの受け入れサイドが同じ方向を向き、この未曾有な困難を乗り越える日が来ることを願っています。
そして自分たちの小さな力がその一助になれば幸いに思います。

 8/4(日)。午前中は一景島神社で草むしりの作業をしました。

 一景島神社は、おそらく鳥居と神社内の岩や狛犬以外の全てのものが流されました。そして4年前に植樹祭を行い、その際にもユニオンが参加しました。震災後の盛土の関係で、周囲の道路より神社が低い位置にあります。周囲の住居やホテル等も同様に、かつての一階部分が半地下のような状態になっています。作業前に気温を心配していたのですが、この日の午前中は曇りだったので、幸いにも涼しく作業を進めることができました。自分にとっては、身体を壊してから初の作業。草むしりとはいえどうなるだろうかと思っていましたが、マイペースながら何とか三時間続けられました。四年前に植樹するまで何も生えていなかった神社の境内は、雑草が生い茂っています。新たに建てられた本堂の周りを中心に、二人でできる範囲の広さではありますが、少し綺麗にすることができました。一旦袋に詰められた草は、境内の奥に撒き、土に還るのを待ちます。

 休憩を取りながら、水分を採りながらですが、やはり汗をかきました。ボランティアを始めてから8年の月日とともに自分の現在の体力のなさを痛感しました。作業前と作業後の写真をUPします。境内の向かって右手が三城さんの担当エリア、僕は向かって左手のエリアです。僕の方は雑ですが、一人で三時間だとこれが今の僕の実力です。でもやはり作業の後には達成感があります。

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