今回は福島県いわき市での活動の報告です。
関東・東北を中心に大きな被害を与えた台風13号は、いわき市にも特に大きな被害を及ぼしました。
いわき市災害対策本部の10月12日時点でのまとめによれば、いわき市は今回の台風13号により、全壊3棟、大規模半壊46棟、中規模半壊173棟、半壊545棟、一部損壊696件、床上浸水1,261件、床下浸水481件と非常に大きな被害を受けています。
いわき市は4年前の2019年の台風19号でも大きな被害を受けており、そこから4年経って受けた今回の被害も、残念ながら非常に大きなものとなってしまっています。
そこで、いわき市の助けに少しでもなるべく、チーム・ユニコンでは10月7−8日にいわき市での災害ボランティア活動に参加しました。
今回は自分も久しぶりに10月7日の活動に参加することができました。自分が参加できなかった活動は三城理事長のチームからの報告となります。
10月7日は早朝に東京を出発し、いわき市に入りました。
この日はボランティアセンターでの受付のタイミングのちょっとしたずれで、2組に分かれての活動となりました。
今回、ボランティアセンターの受付は2019年と同じく新川沿いの官庁街の駐車場に設置されていたものの、そこからは離れた被害の大きなエリアに4つのサテライトを立ち上げ、それらをベースに活動する形をとっていました。
ボランティア参加者は、ボランティアセンターの受付にてスマホ経由での情報登録後、チームに組み分けられ、それぞれバスやバンに分乗して各サテライトに向かい、各所でのニーズに対応するための活動を実施する、という流れとなっていました。
自分は内郷の宮地区での活動に参加しました。
家の前の未舗装の道の砂利が山から押し寄せた水で流されたため、下に埋まっている土管を保護するためにも近くの小さな用水の底の砂利を敷いて整地して欲しいというものでした。
作業自体は自分が加わったチームのメンバー8人での流れ作業で順調に進み、午前中で完了することができました。
こちらの地区では、山から水が一気に押し寄せてきた上に、その反対側にある用水路や宮川も溢れてしまったとのことでした。
山からの水はきれいな水だった一方、用水路の水は泥混じりで、やはりそれなりに浸水したお宅には泥が入っているとのことでした。
最も浸水がひどかったエリアでは1.7mの高さまで水が押し寄せたそうで、作業を実施した場所の周辺でもかなりの高さの浸水があったそうです。
近隣に住む方ともお話する時間があり、砂利を敷いただけじゃまた雨で流されちゃうよ、と最初はおっしゃっていましたが、作業が進んでいくのを見ていただいたり、いろいろ話を聞いていく中で、でも少しでも先に進んでありがたい、とおっしゃってくださったのが印象的でした。
今回の作業だけでは不十分な点は、ボランティアがカバーできる範囲をやや越える作業が必要な点も含めてボランティアセンターに報告しています。
午後は、同じく宮地区での別のニーズに対応しました。
こちらのお宅では家の裏の山から泥が押し寄せ裏庭に溜まってしまっており、その溜まった泥を除去する作業を行いました。
泥はかなりの厚さに堆積しており、面積もかなりの広さだったため、先行の4人のグループでは対応しきれず、自分たちのチームがヘルプで入る形になりました。
堆積した泥を掘ってどんどん土嚢袋に詰めていき、近くのお宅の前の道路に許可をいただいて積んでいきました。
人数が増えて一気に作業が進んだのですが、一方で溜まった泥の量がかなり多かったため、全ての泥は取りきれず、継続案件となってしまいました。
家主さんも作業の進み具合に驚かれていましたが、一方で、やはり泥が溜まったままの状態が不安だそうで、次回の対応も早めに来てほしいとおっしゃっていました。
この日、三城理事長の加わったチームは、内郷の前田地区での作業となりました。
作業内容は、川沿いの個人宅の庭先に2㎝ほどの厚さで堆積した泥土の掻き出しでした。
継続案件での2回目の作業ということで、パッとみた感じではやることがなさそうでしたが、よく見ると石畳の目地や建物の縁、戸外の物置の下の隙間に泥や藻屑が堆積していました。
高齢のご夫婦が住まれているお宅のよく手入れされているお庭だったため、やはり溜まっている泥を見ると精神的につらいようだったので、溜まった泥の清掃を進める気持ちで、丁寧に泥を撤去しました。
この日は2/3程度しか終わらず継続案件となりましたが、暗かった家主さんの表情も、作業が進むにつれてだんだんと明るくなったそうです。
10月8日は三城理事長のチームのみでの活動でした。
この日は、「災害ボランティア 愛・知・人」さんで活動をご一緒させていただいてるHさんより、前日より継続の宮地区の現場に入るにあたり、軽トラでの資材運搬もお願いしたいので一緒に作業できないかとのお誘いを受け、活動をご一緒させていただきました。
今回はチーム・ユニコンで保有している軽トラであるUK号でいわき市に向かいましたが、そんなUK号もチーム・ユニコンの一員として資機材を積んでしっかり活躍することができました。
この日は9人で、溢水時の流出土砂が堆積したままの隣の空き地から再度土砂が流れ込んでこないように、境界に土嚢を積み、そのすぐ内側に堀を掘削したり、側溝に詰まった泥を浚渫するなどの作業を行いました。
こちらの現場では、家主さんも作業を手伝って下さいました。
なかなか力と技巧のいる作業でしたが、立派に整地ができ、家主さんも人が力を合わせることの凄さを実感していらっしゃいました。
また、家主さんは、ボランティアをやっている人たちがいるというのは耳にしており、前回被災した2019年には隣の地区だから参加しようと思ったけれども行動には移せなかった一方で、今回は自分が被災して、本当にボランティアの人たちが見返りを求めず一心に作業してくれる尊さと、人の力が結集する威力を知り、これから自分もボランティアセンターに行って活動をしたいと、床上90cmまでの浸水被害を受けたばかりで避難所生活中にもかかわらず、真剣な眼差しで仰っていたのが印象的でした。
本来は3日目の10月9日も活動の予定でしたが、雨のためボランティアセンターがクローズとなり、この日は活動に参加できませんでした。
今回は、「愛・知・人」さんでも活動をよくご一緒するAさんやTさんやHさんや、随分前に気仙沼でお会いして以来のUさんなど、災害ボランティアを継続していらっしゃる様々な方々にもお会いすることができました。
災害ボランティアセンターの運営の方々の中にも、懐かしい方がいらっしゃいました。
災害ボランティアに参加する人数が減っているという話も聞きますが、一方で、継続して活動されている方々もこのようにたくさんいらっしゃいますし、前回の綾部市や今回のいわき市でも地元の方で活動に参加したいと言ってくださる方もいらっしゃいます。
静岡市では、清水区での被災を受けて新たに災害ボランティアの団体も立ち上がっています。
このように、特に地元の方を中心に、少しずつでも継続して活動される方が増えていくといいなと感じています。
いわき市では見えているニーズは収束方向のようですが、一方で、今回は被災地がいわき市の中心部から離れたエリアということもあり、災害ボランティアセンターの存在を知らない方も多いとのことで、社協さんがローラー作戦でニーズの掘り起こしを行っています。
潜在的な見えていないニーズが数多く掘り起こされる可能性は十分あると考えられるため、ローラー作戦がうまく行けば、今後もニーズが増えていく可能性があります。
チーム・ユニコンでは、今後も当面はいわき市での活動を継続したいと考えています。
今後の活動の内容については、適宜ブログやSNSで報告していきたいと思います。
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