今回は、「一般社団法人 日本カーシェアリング協会 」さんの活動に加わって実施した、被災地の車不足を支援する活動の一部となる「架け橋ドライバー」としての活動の報告です。
「一般社団法人 日本カーシェアリング協会 」さんは、自然災害の被災地などで乗用車を失った方々や、被災地の車不足で困っている方々のために、地域コミュニティで車をシェア(共同利用)する仕組みを提供する「コミュニティ・カーシェアリング」や、寄付で集めた車を活用して災害時に車で困らない仕組みを作る「モビリティ・レジディエンス」などの活動を実施されています。 活動の詳細はこちらのウェブサイト をご確認ください。
日本カーシェアリング協会さんは、昨年の台風15号で大きな被害を受けた静岡県でも同様の活動を実施されていました。 発災から時間がたち、静岡県では車の流通が戻りつつあること、静岡県で活動するボランティアのための高速道路無料化措置が3月いっぱいで終了する見込みであることから、静岡県で提供していた車を佐賀県武雄市の九州支部へ移送することになり、その移送のための「架け橋ドライバー」を募集されていました。 そこで今回、チーム・ユニコンの三城理事長を含めた3名のメンバーが架け橋ドライバーとして、移送する車の一部である2台の車の移送をお手伝いしました。 活動に参加されたメンバーからのレポートをもとに、活動の様子を報告します。
3月18日、朝8時に伴走車を含めた3台で静岡市内の日本カーシェアリング協会の拠点を雨の中出発し、西へ向かいました。 途中、愛知県の美合SA、滋賀県の土山SA、岡山県の吉備SAでこまめに休憩をとりながら、この日は山口県周南市の徳山で宿泊。 この日の走行距離は740kmでした。
出発前@静岡市
日本カーシェアリング協会の静岡市の拠点にて
翌3月19日は青空のもと、朝8時に徳山を出発。 山口県の壇之浦SA等で休憩をとりながら、昼頃に佐賀県武雄市の日本カーシェアリング協会さんの九州支部に到着。静岡からの総走行距離は1040kmに及びました。 こうして、事故もなく、無事に車を返却することができました。 日本カーシェアリング協会の九州支部には数多くの車が保管されており、どこかで災害が発生した際に迅速に車を提供できるように備えられていたそうです。
壇之浦SAから関門海峡を臨む
日本カーシェアリング協会九州支部
九州支部に無事到着
九州支部には災害に備えてたくさんの車が
車の返却を終えた後、東に向かう前に、武雄市の隣の大町町に立ち寄りました。 大町町は2019年、2021年の豪雨で甚大な被害を受けており、チーム・ユニコンも復旧へのお手伝いのための活動に参加させていただいています。 その大町町に、「認定NPO法人 日本レスキュー協会 」さんが佐賀県支部大町拠点「MORE WAN」という施設を開設されています。 こちらは自然災害発生時にペットと一緒に入所できる避難所となる他、平時には災害救助犬やセラピー犬の育成施設としての役割を果たしています。 今回、佐賀に到着したタイミングで、「MORE WAN」にて日本財団さんが主催されたワークショップで重機・チェーンソーの講習が行われており、チーム・ユニコンの監事をお願いしているパパラこと今井さんがたまたまその講習に参加されていたため、ご挨拶に伺いつつ、これからの活動の参考となるよう施設を見学してきました。
日本レスキュー協会の佐賀県支部大町拠点「 MORE WAN」
「MORE WAN」の重機訓練のできるスペース
その後、伴走車で東に向かい、この日は往路と同じく徳山に宿泊し、最終日に備えました。
最終日3月20日は、朝7時に徳山を出発、途中、広島県の福山SA、岡山県の吉備SA、兵庫県の宝塚北SA、滋賀県の多賀SA、静岡県の浜松SA、駿河湾沼津SAで休憩しつつ、なんとかその日のうちに東京に無事到着しました。
今回の活動では、慣れない車での長距離の運転は想像以上に大変だったそうで、長距離運転にはこまめな休憩が重要、ということを特に感じたそうです。 そんな中で、事故なく無事に2台の車を移送することができ、よかったと思います。
被災地の支援のための活動には、現地での瓦礫撤去や床や壁の解体作業といった活動以外にも、今回の架け橋ドライバーのような活動など、本当に様々な活動があります。 それぞれの活動でやれること・必要とされることが異なり、いろいろな方が、それぞれの得意なことで支援できる可能性がある、ということを改めて感じたそうです。
今後、どこかで大規模な災害が発生した際には、日本カーシェアリング協会さんから大量の車の移送の要請がある可能性があり、その際にはチーム・ユニコンも移送に協力していきたいと考えています。 また、災害が起きないに越したことはないですが、災害が起きてしまった時には、今回移送した2台が被災された方々の役に立つといいなと思います。