あけまして、の後の言葉を紡ぐのに躊躇するくらい、新年早々、非常に大きな地震が発生してしまいました。
亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。また、被災された方々へ心よりお見舞いを申し上げます。

すでに多くの団体が災害支援に現地入りしていますが、チーム・ユニコンも現地での支援を開始しており、その第一弾として、三城理事長のチームが1月5日に東京を出発し、能登へ支援物資の運搬を行なっています。

既に現地入りしている連携団体の「災害ボランティア 愛・知・人」さんから、現時点で不足しているもの・必要なものを聞き取ったところ、運搬前日の段階では、無洗米(100kg)、水2ℓ×24本、灯油40ℓ、レトルト食品できるかぎり運んでほしい、とのことでしたが、その後改めて入った連絡では、道路の復旧が多少進んだようで水が大量に届き始めたため、水とレトルト食品は不要となり、それらの代わりに味噌30kg、顆粒だし6kg、トイレ用凝固剤200回分、醤油2本、灯油40ℓ、無洗米100kgが必要とのことだったので、それらを購入しました。加えて、在庫で持っていたウエス、簡易トイレ、ポリ袋で作った医療用ガウンも積みこんで、19時に東京を出発しました。
現地ではガソリンスタンドにも行列ができているのということなで、復路用に携行缶にガソリンを40ℓ充填しています。

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運搬した支援物資

東京を出発後は、かなり荷物を積んでいたことや、関越・上越の高速道路の凍結の心配もあり、安全運転で進み、富山県射水市に翌午前2時頃、その後、七尾に午前5時に到着しました。
その後、愛・知・人さんのアドバイスを受けて、七尾到着後すぐ、渋滞がひどくなる前に七尾を出発しました。その時点でも、渋滞ではないなりに既にそれなり長い車列ができているような状態でした。
暗中悪路の走行でしたが、前の車のブレーキングを参考に運転し、珠洲市を目指しました。
道路もかなりの被害を受けています。
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移動中、震度5強の余震が発生しましたが、運転中だったのでそれ程揺れを感じず、そのまま運転を続け、目的地の珠洲市飯田小学校の避難所には7時過ぎに到着しました。
到着後に話を聞くと、余震は相当大きな揺れだったそうで、避難所から出てくる方々から、これで金沢に避難する決心ができた、本当に怖かった、という言葉が聞こえてきました。

現地に到着して周囲を確認すると、至る所で大きな被害を受けていることがわかりました。
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海沿いでは、津波により大きな被害を受けていました。
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到着後は、昼の炊き出しの準備のチームと、孤立集落というほどではないものの避難所に入るのが難しい地域から受けたリクエストに応える形で支援物資を届けるチームに分かれ、作業に当たりました。

支援物資を届けるチームは、30世帯くらいの直地区(ただちく)へ物資を届けました。
その地区の集会所は支援物資の配布先に先日登録したばかりということで、まだ物資が不十分だったため、飯田小学校にいた災害ボランティア団体にヘルプ要請が来たということのようでした。そこで、その集落でヘルプ要請をされたお宅に、地区で分配出来るほどの量の食糧や水、灯油などを持って伺いました。
現地で町会長さんを紹介していただき、地区の状況を伺ったところ、既に4世帯ほど金沢に出て行ってしまっていましたが、残った殆どの方が避難所には入らず、自宅避難をしたり、寝泊まりだけは集会所に来ているという状況とのことでした。
集会所に行ってみると住人の方が十数名いらして、先程届けたもの以外にも色々不足している物があることが判明しました。そこで、すぐに市役所に出向き掛け合いましたが、大規模支援用物資を正規の配送ルート以外で配布することが難しいが、個人篤志家から寄せられてた物で希望する物があれば、それをピックアップして届けても良いということで交渉が成立しました。
それを受けて、愛・知・人さん所有のプロパンガスと五徳と共に、数々の要望品を備蓄倉庫となっている体育館からピックアップして集会所に届ける事ができました。

炊き出しチームは、愛・知・人さん、避難されている方の有志の方々と、しっぽくうどんを250食作りました。
正月に食べられなかったかまぼこを大量に使用したため、鮮やかな見た目になっています。
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現地では大きな被害を受けており、多くの支援が必要な状況です。
一方、現地へのアクセスが制限されていることや、他の地域でも大きな被害を受けていることから、連携する団体と連絡をとりながら、アシスト瓦作成などの遠隔での支援も含めて、どのような活動ができるか考え、継続していきたいと考えています。
活動の内容については随時こちらのブログ・SNSで報告していきます。

学生さん達が冬休みに入った頃合いにあわせて、12月24日に川崎市麻生区にて第1回アシスト瓦作成会を開催しました。
この日は、アシスト瓦の作成を実施しつつ、また、医療用ガウンの材料も残っていたため、医療用ガウンの作成も併せて行っています。
(医療用ガウン作成作業はNPO法人MAKE HAPPYさんと連携を取りながら実施しており、完成したガウンは医療・保険機関や介護事業者の皆さまへお送りしております。)
今回は、初めてご参加頂いた1名の方を含めた4名の方にご参加いただき、アシスト瓦を11枚、医療用ガウンを持ち込みを分と合わせて40着、それぞれ作成することができました!

アシスト瓦は、地震や台風で損傷した屋根瓦の応急修繕に用いられる、段ボールと防水シートで作る簡易的な瓦です。
地震や台風で屋根瓦が被害を受けた際、屋根の広範囲で瓦が被害を受けていた場合にはブルーシート等での応急的な対応が必要となりますが、一方で、屋根瓦の被害が局所的な場合には、壊れた屋根瓦をアシスト瓦に差し替えることで、ブルーシートを貼るよりも比較的簡易な作業で応急処置ができ、雨漏りを防ぐことができます。
また、屋根に張ったブルーシートの経時での破損の大きな原因の一つである風によるバタつきが、アシスト瓦では発生しずらいというメリットもあります。

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アシスト瓦の実際の使用例

アシスト瓦の作成会は今回が初めての実施ということもあり、手探りの部分も多くありましたが、意外と30cm x 30cmを切り出せる大きな段ボールが少ないことや、大きな防水シートから必要なサイズを切り出すことが思ったより大変なことに気づいたり、作成・検品の過程でどこが間違えやすいのかを認識できたりと、たくさんの気づきがありました。
次回以降は、今回の気づきをもとに、よりスムーズな作成・運営ができると思います。
年の瀬も押し迫る中ではありましたが、ご参加いただき、ありがとうございました!

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アシスト瓦作成会の様子

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完成したアシスト瓦

今後も、学生さん達の長期休みにあわせて作成会を実施していきたいと考えています。
開催が近くなりましたら改めてご連絡致しますが、本活動にご興味がございましたら、ボランティア活動申し込みフォーム(ここをクリックしてください)を通じてご連絡いただければ、今後の予定や活動の詳細についてお知らせできると思います。
また、作成会当日は出入り自由ですので、ご都合が良い時間に是非ご参加ください。

このブログが本年最後のブログのアップになります。
今年は残念ながら非常に災害の多い年となってしまい、毎週のように全国各地で水害が発生し、大きな被害を及ぼしていました。
チーム・ユニコンも、それらに対応すべく様々な地域で活動を実施してきました。
来年こそは災害の少ない年となって欲しいと祈りつつ、一方で、多くの災害を引き起こしている原因の一つである温暖化がそう簡単に収まるとも思えず、来年も引き続き、災害が発生してしまった際には被災地に寄り添えるような活動を継続していきたいと思います。

本年も多くの方々に大変お世話になり、ありがとうございました。
皆様、良いお年をお迎えください。
来年も引き続き、どうぞよろしくお願い致します。

12月2日(土) に新百合ヶ丘駅南口ペデストリアンデッキと麻生区役所前広場・麻生市民館で開催された、令和5年度第2回川崎市麻生区総合防災訓練に、昨年に引き続いてブース出展しました。
幸い天気もよく、たくさんの方に防災訓練に訪れていただけました。

ブースでは、これまでの活動内容や、水害に遭った後の対処方法、水害後に災害ボランティアが実施する活動等についてご紹介しました。
川崎市麻生区には大きな河川がなく水害に遭う確率が比較的低い地域ではありますが、溢水がなくても窪地や側溝等での内水氾濫の可能性等はありますし、特にここ数年は日本中で想定外の災害が数多く起きているのが現状です。
その万が一に備えて、水害の恐ろしさ、見えないところに残った水による時間が経ってから発生する被害、それらを避けるための対処、それらの被害に対して災害ボランティアのできることについて伝えるべく、新たに作成したパネルを使ってブースを訪れてくださった方々に説明しました。
中には、ここ数年の水害の多さから、それらへの対策の重要性について考えていらっしゃる方や、水の怖さをよく知っていらっしゃる方もブースにいらっしゃり、真剣に展示を見てくださいました。
このような活動を通じ、水害の怖さや減災の方法、災害ボランティアの活動について少しでも多くの方に知っていただければと思います。

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当日のブースの様子

 

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ブースに立ち寄って頂いた方へのご説明

 

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開会式の様子

新百合ヶ丘南口には、チーム・ユニコンの他にも多くのブースが出展しており、応急救命のやり方や、地震後のガスメーターの復旧方法、災害時の簡易トイレの紹介、消化器を使った初期消火訓練、ローリングストックの紹介、耳が聞こえない方との災害時のコミュニケーションの取り方、災害時のペットへの対応など、たくさんのことが紹介されていました。
個人的に印象に残ったのは耳が聞こえない方とのコミュニケーションの取り方についてで、耳が聞こえないために緊急時のサイレンや警報の音が聞こえず、何らかの方法で緊急事態であることを伝えないといけないこと、手話ができるに越したことはないが、例えばスマホのメモ帳の音声入力を使って伝えることもできる、ということでした。
また、ネット経由で手話通訳をお願いできるサービスもあるそうです。
このような学びの一つ一つが減災に繋がっていくのだと感じます。

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ブースの周辺の様子

また、大規模な地震を想定した救出訓練、帰宅困難者対策訓練、起震車による地震体験、炊き出し訓練、高所作業車の体験などの様々な体験イベントも開催されていました。

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帰宅困難者対策訓練の様子

 

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起震車による地震体験

 

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消防車の展示

 

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自衛隊による炊き出し訓練

 

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高所作業車の体験

チーム・ユニコンでは、今後も引き続き、今回のようなイベントを通じて、防災・減災意識の啓蒙、被災時にとるべき対応の紹介、チーム・ユニコンの活動や災害ボランティアの活動内容の紹介を継続して実施していきたいと考えています。
イベント参加の際はHP・ブログ・SNSでお知らせしますので、お近くにお立ち寄りの際は是非お立ち寄りください。

 

チーム・ユニコンのHPのトップにも掲載していますが、12月2日(土) 9:00〜12:00に新百合ヶ丘駅南口ペデストリアンデッキと麻生区役所前広場・麻生市民館で開催される、令和5年度第2回 川崎市麻生区総合防災訓練に、昨年に引き続いてチーム・ユニコンがブース出展します。
ブースの場所は駅南口のペデストリアンデッキの7番ブースで、これまでの活動内容や、水害に遭った後の対処の仕方、水害後に技術系ボランティアが実施する活動等についてご紹介する予定です。

総合防災訓練の詳細は、こちらをご確認ください。
https://www.city.kawasaki.jp/asao/cmsfiles/contents/0000155/155136/dai.pdf

様々な団体のブース展示(体験ブースもあります)に加えて、大規模な地震を想定した救出訓練、帰宅困難者対策訓練、初期消火訓練、起震車による地震体験、はしご車での救出訓練、スタンプラリー等、様々なイベントが開催される予定です。

お近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄りください!

台風7号の接近に伴う8月14日からの豪雨により大きな被害を受けた京都府綾部市にて、綾部市災害ボランティアセンターさんが主催となり、「災害ボランティア 愛・知・人」さんの赤池代表と、「Team BーDash」さんの藤丸代表を講師にお招きして、11月11日・12日に「災害ボランティア技術講習会」が開催され、チーム・ユニコンからも三城理事長が参加しました。
綾部市は、今回の豪雨により全壊5件、一部損壊10件、床上浸水37件、床下浸水195件、敷地土砂流入10件と大きな被害を受けていますが(9月20日時点での綾部市災害対策本部からの報告による)、2018年の西日本豪雨でも土砂崩れや河川の氾濫の被害を受けており、5年で2度も大きな災害の被害を受けた地域での防災力を高めなければならないと考えた綾部市社協さんが今回の講習会を企画され、同市で継続的に活動されていた上記2団体に協力を依頼し、開催されたそうです。

講習会では、綾部市での最後のニーズとして残っていた、床剥ぎをして泥土をかき出した和室にコンパネを貼り直すという作業が残っていたお宅が会場となりました。
このお宅にもこれまで上記2団体が作業に入り、丁寧な作業を実施してくださったことで信頼を寄せられていたこともあり、社協さんからの講習会の提案にも快諾してくださったそうです。

講習会の内容は、養生貼り、床の釘抜き、床下からの泥だし、大引・根太のブラッシング・養生の大切さを理解するためのブラッシング、インパクトドライバーやテッポウ(エア釘打ち機)の使い方の練習、床下等の泥水を吸い取るバキュームの練習でした。
2日間でのべ15名の方が受講され、それぞれの作業の意味や要諦を教えながら作業を進めていきました。
そんな中で、三城理事長も養生→釘抜き(床剥ぎ)→泥だしについての講師を割り振られ、部分的ではありますが作業の講釈を務めさせていただきました。
座学や模型とは異なり、実際の現場で作業を実施しながらの講習は、作業の目的や意味を実感しながらのものとなり非常に有効であると感じ、また、工具を使った作業では、何度も納得がいくところまで作業を繰り返し上達していく参加者の皆さんの姿が非常に頼もしく感じたそうです。
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初日の夜は、愛・知・人さんのメンバーとの夕食でしたが、そこでは、社協さんの職員の方がおでんを大量に炊いてきてくださった上に、その場でお蕎麦を打ってくださり、楽しい宴となったそうです。
その中の会話でも、地域防災への強い思いや、長くこの地方に寄り添ってきた愛・知・人さんへの絶大な信頼感を感じられたそうです。
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京都府綾部市では、このニーズを終え、災害ボランティアセンターは平時体制に戻ったそうです。

チーム・ユニコンの次の活動は、12月2日に川崎市の新百合ヶ丘駅周辺で開催される「令和5年度 第2回麻生区総合防災訓練」になります。
HPのトップにもお知らせがございますので、そちらもご確認ください。

チーム・ユニコンのHPに2023年第3四半期のレポートをアップいたしました。
今年は水害が頻発し、残念ながら各地に大きな被害を及ぼしてしまいました。それに伴い、チーム・ユニコンでも静岡県沼津市、秋田県秋田市・五城目町、福岡県久留米市、熊本県益城町、京都府綾部市にて災害ボランティア活動に参加しています。
また、これまでの縁が深い宮城県気仙沼市本吉町で開催された「第29回本吉マンボウサンバ大会」へも参加しました。
その他の活動についても、レポートの中にて報告しています。
以下のサイトにこれまでの活動記録と併せてアップしていますので、是非ご覧下さい。
https://uni-con.or.jp/blog/

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10月29日にも福島県いわき市にて災害ボランティア活動に参加しました。
いわき市災害対策本部の10月12日時点でのまとめによれば、いわき市は今回の台風13号による9月8日の大雨により、全壊3棟、大規模半壊46棟、中規模半壊173棟、半壊545棟、一部損壊696件、床上浸水1,261件、床下浸水481件と非常に大きな被害を受けています。

今回は現地で活動したチームからのレポートをもとに報告します。

午前中は内郷白水町にて、お宅の庭に流れ込んだ流木の撤去作業を実施しました。
この周囲ではこちらのお宅のみが被害を受けたそうです。
新川に流れ込む支流が決壊し、作業したお宅周辺が川の水の通り道になってしまったようで、床上70cm程度までは浸水したとのことです。当時、人は住んでいなかったので良かったと仰っていました。
庭には、川から流れてきた大きな流木が何本もあったので、それらを撤去していきます。
また、それらの流木が川沿いの道のアスファルトを剥がしてしまい、それらが一緒に庭に流れ込んできて溜まってしまっていたため、アスファルトを崩して流木を取り出したりもしました。
重機が入らないと難しいアスファルトの撤去は見送りとなりましたが、流木の撤去作業は午前中で完了しました。

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川が溢れた地点。ここから流木がアスファルトを剥がして流れていったよう

 

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白水町・作業前の様子

 

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白水町・作業前には、削られて流されてきたアスファルトの上に流木が溜まっている様子も。

 

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白水町・作業後の様子

 

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白水町・集めた災害ゴミ

午後の作業は、好間町にて、お宅の横の空き地と裏の泥だしと、そのお隣の流木の廃棄でした。
作業したお宅の付近では好間川の支流が氾濫し、このお宅の前に通じる橋のところから川の水が溢れ、また、橋から作業したお宅の方に向かって道路が下り坂になってるのですが、その道路を溢れた川の水が流れてそこも川のようになってしまい、このお宅やご近所一帯で床上・床下浸水の被害を受けてしまったそうです。
午前中は早稲田大学の女性たちが作業をしていたそうで、その続きを実施しました。
なかなかの厚みの泥が残っていましたが、応援を頼みつつ、なんとか作業を完了できました。

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好間町・川が溢れた地点

いわき市では、ニーズの94%が完了したとのことで、ようやくニーズは収束してきたようです。
今後は、他の地域を含めて必要とされる地域での活動を実施したいと考えています。
活動の内容については、適宜ブログやSNSで報告していきたいと思います。

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いわき市災害ボランティアセンターにて

10月22日にも福島県いわき市にて災害ボランティア活動に参加しました。
いわき市災害対策本部の10月12日時点でのまとめによれば、いわき市は今回の台風13号による9月8日の大雨により、全壊3棟、大規模半壊46棟、中規模半壊173棟、半壊545棟、一部損壊696件、床上浸水1,261件、床下浸水481件と非常に大きな被害を受けています。

この日の午前中は、内郷地区の綴町での活動でした。
こちらのお宅は主要道路から分かれた急な坂道の途中にあり、背後がすぐ山になっていました。
川よりかなり高いところなのに、と思ったのですが、家主さんにお話を聞いたところ、被災当日山からの鉄砲水がやってきて、一気に建物に水が入ってきたそうです。
前週活動した地域でもそうでしたが、川からのみならず、山からの水での被災が多かったようです。

このお宅での作業は、家の中の状況を把握するための、大きなソファをはじめとした家財の搬出と、畳の搬出でした。
発災から時間が経っていたこともあり、ある程度乾燥が進んでいる場所もあるとは言え、床板が湿って波打っており、根太・大引きの上を歩かないと床を踏み抜いてしまう様な状況でした。
床板を踏み抜かないよう気をつけながら、奥の部屋からソファや他の家財を、家主さんに保存するかどうか確認しながら家の前まで搬出しました。

その後、手前の部屋の畳を家の外に搬出しました。
畳には砂利が付いて湿っていたものの、一人で運べる程度には乾燥が進んでいました。
畳を上げてみると、やはり床板は湿っており、油断すると踏み抜いてしまうような状態となっており、また、一部は根太も被害を受けている状態で、床下には山から流されてきたであろう土砂も堆積していました。
この状況に家主さんもショックを受けておられましたが、この状況をその場でボランティアセンターに連絡したところ、技術系ボランティア団体へと繋ぐこともできることでしたので、家主さんにその旨お伝えしました。
その後、ボランティアセンターから家主さんにすぐに連絡があったそうで、その話を聞いて家主さんの表情も少し明るくなったように感じました。
もちろん、被災したお宅のリフォームにはかなりの額のお金が必要となるため、すぐに床板を張り直す判断をするのは非常に難しいのですが、ボランティアセンターや技術系ボランティア団体と話をしながら、よりよい方向に進んでいくといいなと思います。

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山から鉄砲水が一気にやってきたそう

1件目の作業が午前中で完了したため、お昼ご飯を食べた後、2件目に向かいました。
必要な資機材の運搬の都合からチームを組み直し、前回の活動の際に気仙沼以来の再会を果たしたUさんと同じチームで活動しました。
午後の活動は好間町にて、住宅の裏側の川が溢水した後に、住宅の裏の畑などに残ったゴミの片付けでした。
この地域は上流に以前炭田があったこともあり、様々なものが流れてくるそうですが、今回も木片やプラスチック片、空き瓶等、様々なものが流れてきていました。
なるべく元の状態に戻るよう、それらのものを集めて、分別しながら袋につめていきました。
このお宅のご主人は腰が悪いそうで、そんな中でも頑張って草刈りまではされたものの、そのために腰痛が悪化したことで、ゴミの片付けをボランティアに依頼したそうです。
そんな中でも、活動の終わりの方には我々の作業を見に来てくださり、いろいろな話を聞かせていただきました。

ゴミの回収については今回で終了しましたが、かなりの量の川砂が畑の周りに入ってきており、それらの撤去を実施するのか、また、それをボランティアセンターに依頼した方が良いのか家主さんが悩んでいらっしゃったので、ボランティアセンターに申し送っておくので、必要であれば遠慮無く改めてニーズを上げて欲しいとお伝えし、この日の活動は終了しました。
ボランティアセンターでの申し送り後、ボランティアセンターがすぐに連絡を取ってくださり、一旦市と相談し、その結果をみてからニーズを依頼するかもしれない、と家主さんがおっしゃっていたこと、ボランティアにとても感謝されていたことを伺い、少しでも先に進むお手伝いができたことがうれしかったです。

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川沿いに溜まったゴミ

活動終了後は、いわき湯本の「さはこの油」さんでお風呂を頂いて東京に戻りました(ありがたいことに、いわき市ではボランティアへの入浴支援を行って下さっており、避難所に避難されている方、浸水や土砂崩れ等でお風呂が使えない方以外にも、いくつかの入浴施設では10月31日まではボランティア参加者も入浴料が無料あるいは割引となっていました!)。
また、東京に戻る前には、いわきや福島の他の地方の日本酒を買い込んで帰りました。

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帰りに寄ったさはこの湯

いわき市では、社協さんのローラー作戦で多少ニーズは増えたものの、この日も多くのニーズが完了し、ようやくニーズは収束してきたようです。
一方、今回の活動を実施したお宅でも新たなニーズが発生する可能性があったこともあり、今後もニーズが少ないながらも出てくることも考えられることから、チーム・ユニコンでは残ニーズの様子を見ながらいわき市での活動を継続したいと考えています。
今後の活動の内容については、適宜ブログやSNSで報告していきたいと思います。

今回は福島県いわき市での活動の報告です。
関東・東北を中心に大きな被害を与えた台風13号は、いわき市にも特に大きな被害を及ぼしました。
いわき市災害対策本部の10月12日時点でのまとめによれば、いわき市は今回の台風13号により、全壊3棟、大規模半壊46棟、中規模半壊173棟、半壊545棟、一部損壊696件、床上浸水1,261件、床下浸水481件と非常に大きな被害を受けています。
いわき市は4年前の2019年の台風19号でも大きな被害を受けており、そこから4年経って受けた今回の被害も、残念ながら非常に大きなものとなってしまっています。

そこで、いわき市の助けに少しでもなるべく、チーム・ユニコンでは10月7−8日にいわき市での災害ボランティア活動に参加しました。
今回は自分も久しぶりに10月7日の活動に参加することができました。自分が参加できなかった活動は三城理事長のチームからの報告となります。

10月7日は早朝に東京を出発し、いわき市に入りました。
この日はボランティアセンターでの受付のタイミングのちょっとしたずれで、2組に分かれての活動となりました。

今回、ボランティアセンターの受付は2019年と同じく新川沿いの官庁街の駐車場に設置されていたものの、そこからは離れた被害の大きなエリアに4つのサテライトを立ち上げ、それらをベースに活動する形をとっていました。
ボランティア参加者は、ボランティアセンターの受付にてスマホ経由での情報登録後、チームに組み分けられ、それぞれバスやバンに分乗して各サテライトに向かい、各所でのニーズに対応するための活動を実施する、という流れとなっていました。

自分は内郷の宮地区での活動に参加しました。
家の前の未舗装の道の砂利が山から押し寄せた水で流されたため、下に埋まっている土管を保護するためにも近くの小さな用水の底の砂利を敷いて整地して欲しいというものでした。
作業自体は自分が加わったチームのメンバー8人での流れ作業で順調に進み、午前中で完了することができました。
こちらの地区では、山から水が一気に押し寄せてきた上に、その反対側にある用水路や宮川も溢れてしまったとのことでした。
山からの水はきれいな水だった一方、用水路の水は泥混じりで、やはりそれなりに浸水したお宅には泥が入っているとのことでした。
最も浸水がひどかったエリアでは1.7mの高さまで水が押し寄せたそうで、作業を実施した場所の周辺でもかなりの高さの浸水があったそうです。
近隣に住む方ともお話する時間があり、砂利を敷いただけじゃまた雨で流されちゃうよ、と最初はおっしゃっていましたが、作業が進んでいくのを見ていただいたり、いろいろ話を聞いていく中で、でも少しでも先に進んでありがたい、とおっしゃってくださったのが印象的でした。
今回の作業だけでは不十分な点は、ボランティアがカバーできる範囲をやや越える作業が必要な点も含めてボランティアセンターに報告しています。

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整地した砂利道

 

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溢水した宮川

午後は、同じく宮地区での別のニーズに対応しました。
こちらのお宅では家の裏の山から泥が押し寄せ裏庭に溜まってしまっており、その溜まった泥を除去する作業を行いました。
泥はかなりの厚さに堆積しており、面積もかなりの広さだったため、先行の4人のグループでは対応しきれず、自分たちのチームがヘルプで入る形になりました。
堆積した泥を掘ってどんどん土嚢袋に詰めていき、近くのお宅の前の道路に許可をいただいて積んでいきました。
人数が増えて一気に作業が進んだのですが、一方で溜まった泥の量がかなり多かったため、全ての泥は取りきれず、継続案件となってしまいました。
家主さんも作業の進み具合に驚かれていましたが、一方で、やはり泥が溜まったままの状態が不安だそうで、次回の対応も早めに来てほしいとおっしゃっていました。

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裏庭に溜まった泥をつめた土嚢を積み上げた山

この日、三城理事長の加わったチームは、内郷の前田地区での作業となりました。
作業内容は、川沿いの個人宅の庭先に2㎝ほどの厚さで堆積した泥土の掻き出しでした。
継続案件での2回目の作業ということで、パッとみた感じではやることがなさそうでしたが、よく見ると石畳の目地や建物の縁、戸外の物置の下の隙間に泥や藻屑が堆積していました。
高齢のご夫婦が住まれているお宅のよく手入れされているお庭だったため、やはり溜まっている泥を見ると精神的につらいようだったので、溜まった泥の清掃を進める気持ちで、丁寧に泥を撤去しました。
この日は2/3程度しか終わらず継続案件となりましたが、暗かった家主さんの表情も、作業が進むにつれてだんだんと明るくなったそうです。

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庭に溜まった泥

 

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掻き出した泥

10月8日は三城理事長のチームのみでの活動でした。
この日は、「災害ボランティア 愛・知・人」さんで活動をご一緒させていただいてるHさんより、前日より継続の宮地区の現場に入るにあたり、軽トラでの資材運搬もお願いしたいので一緒に作業できないかとのお誘いを受け、活動をご一緒させていただきました。
今回はチーム・ユニコンで保有している軽トラであるUK号でいわき市に向かいましたが、そんなUK号もチーム・ユニコンの一員として資機材を積んでしっかり活躍することができました。

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資機材を積んだUK号

この日は9人で、溢水時の流出土砂が堆積したままの隣の空き地から再度土砂が流れ込んでこないように、境界に土嚢を積み、そのすぐ内側に堀を掘削したり、側溝に詰まった泥を浚渫するなどの作業を行いました。
こちらの現場では、家主さんも作業を手伝って下さいました。
なかなか力と技巧のいる作業でしたが、立派に整地ができ、家主さんも人が力を合わせることの凄さを実感していらっしゃいました。
また、家主さんは、ボランティアをやっている人たちがいるというのは耳にしており、前回被災した2019年には隣の地区だから参加しようと思ったけれども行動には移せなかった一方で、今回は自分が被災して、本当にボランティアの人たちが見返りを求めず一心に作業してくれる尊さと、人の力が結集する威力を知り、これから自分もボランティアセンターに行って活動をしたいと、床上90cmまでの浸水被害を受けたばかりで避難所生活中にもかかわらず、真剣な眼差しで仰っていたのが印象的でした。

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隣の空き地との間に積んだ土嚢と皆で掘削して作った側溝

本来は3日目の10月9日も活動の予定でしたが、雨のためボランティアセンターがクローズとなり、この日は活動に参加できませんでした。

今回は、「愛・知・人」さんでも活動をよくご一緒するAさんやTさんやHさんや、随分前に気仙沼でお会いして以来のUさんなど、災害ボランティアを継続していらっしゃる様々な方々にもお会いすることができました。
災害ボランティアセンターの運営の方々の中にも、懐かしい方がいらっしゃいました。
災害ボランティアに参加する人数が減っているという話も聞きますが、一方で、継続して活動されている方々もこのようにたくさんいらっしゃいますし、前回の綾部市や今回のいわき市でも地元の方で活動に参加したいと言ってくださる方もいらっしゃいます。
静岡市では、清水区での被災を受けて新たに災害ボランティアの団体も立ち上がっています。
このように、特に地元の方を中心に、少しずつでも継続して活動される方が増えていくといいなと感じています。

いわき市では見えているニーズは収束方向のようですが、一方で、今回は被災地がいわき市の中心部から離れたエリアということもあり、災害ボランティアセンターの存在を知らない方も多いとのことで、社協さんがローラー作戦でニーズの掘り起こしを行っています。
潜在的な見えていないニーズが数多く掘り起こされる可能性は十分あると考えられるため、ローラー作戦がうまく行けば、今後もニーズが増えていく可能性があります。
チーム・ユニコンでは、今後も当面はいわき市での活動を継続したいと考えています。
今後の活動の内容については、適宜ブログやSNSで報告していきたいと思います。

今年は温暖化の影響か毎週のように各地で水害が発生しており、全国各地で大きな被害を受けています。
あまりの水害の数に、以前発生した水害の記憶が薄れていっているように感じる今日この頃ですが、その中で、京都府綾部市でも、台風7号の接近に伴う8月14日からの豪雨により大きな被害を受けています。
9月20日時点での綾部市災害対策本部からの報告によれば、全壊5件、一部損壊10件、床上浸水37件、床下浸水195件、敷地土砂流入10件と大きな被害を受けています。
その京都府綾部市で被災直後から継続して活動されている「災害ボランティア 愛・知・人」さんのチームに加わり、9月16−17日に京都府綾部市で災害ボランティア活動を実施しました。
今回も自分は負傷者リスト入りしており参加できず、参加した三城理事長のチームからのレポートをもとに報告します。

9月16日は、物部地区の犀川沿いに立つお宅での作業でした。
犀川の上流地域に線状降水帯による豪雨が発生し、その影響で物部地区で犀川の越水が発生したそうです。
この日の作業は床下に溜まった泥の撤去作業でした。
発災から一ヶ月経っているものの、未だ床下には湿った泥が薄く堆積していたそうで、床下に潜ってこれらの泥を撤去する作業を実施しました。
7〜8部屋ほどある大きなお宅だったこともあり、この日で作業完了とならず、翌日へ継続となりました。

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床下へ侵入

 

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床下に溜まった泥

 

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床下の泥の撤去作業

 

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床下作業の合間の休憩時間の、モグラ隊の不織布ツナギの抜け殻

この日は、地元の住職さんから差し入れを頂き、豪華な晩餐となったそうです。
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翌9月17日も前日の作業を継続し、午前中で作業は完了しました。
午後は同じ地区の近くの集落に移動し、旧街道沿いの1件のお宅の床下の泥の除去作業に取り掛かりました。
こちらの集落も、同じく犀川の越水による被害を受け、旧街道沿いの家々が被災したそうです。
フローリングの床に覗き穴を開けて床下を確認したところ、泥水がまだ残っていたため、まずは乾燥を進めるために床下に送風機を設置しました。
そして、翌日以降の床下での作業に備えて養生の作業を実施し、この日の活動は終了しました。
また、この日は前日差し入れをいただいた住職さんの奥様も活動に参加していただいたそうです。
おかげで、家主さんとのコミュニケーションがスムーズになったそうです。
今後、各地で水害が増えていく可能性があり、自助・共助という点からも、地元の方々が前向きに活動に参加されていることは非常に心強く感じます。

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送風機の設置

 

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養生作業

 

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未だ被災した家財が道路の脇に

 

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犀川の様子

冒頭に書いたように、どこでどのような被害を受けたのか覚えられないほど、今年は週末ごとに大きな水害が全国各地で発生しています。
今回活動した京都府綾部市も復旧までには時間がかかりそうな印象だそうですが、一方で、サポートを求めている被災地は未だ全国各地に多くあります。
チーム・ユニコンとしては、連携している団体と連絡をとりながら、全国の被災地の助けになれる活動や、被災地に寄り添う活動ができればと考えています。

今後の活動の内容については、適宜ブログやSNSで報告していきたいと思います。