久しぶりにブログを書きます!理事長の三城です。
今週末は9月5日に発生した竜巻で大きな被害を蒙った榛原郡吉田町と牧之原市に入り活動を行ってきました。
牧之原市では発災から半月経った9月20日から罹災証明の交付が始まり、全壊34棟を含むおよそ330棟の被害が認定されたようです。「ようです」という書き方をしたのはニュースリソースによって若干数字に差異が見られるためです。統計上日本最大と言われる今回の竜巻で対応の検討もされ始めているようではありますが、竜巻被害は従来より激甚災害指定のスコープに入っておらず、内閣府や総務省からも被害に関しての正式な発表は行われておりません。ただ、罹災証明の申請は21日時点で1177件と言われており、規模感などはこの2つの概数でご理解いただけるのではないかと思います。
この両地域に対し災害救助法の適用は行われておりますが、激甚災害指定がなされていないことが復旧・復興の方向性に対しても影響を与えているのではないかという事を今回現地で目の当たりにしました。
我々が支援に入る地域の多くは被害状況の認定が行われてから、どのようにボランティアが手を尽くすかという事を考えることが多いのですが、それはボランティアが現状変更をしてしまうと災害認定が不正確になるためで、被災者生活再建支援制度による支援金の支給額の目途を立てることが優先されることが普通です。
ところが、今回の両地域で活動していると全壊か、大規模半壊か、半壊かなどの判断を待つより、自費となっても早くに復旧したいという思いでボランティアの依頼をされている方が多いようでした。おそらく被災者生活再建支援制度の適用が難しいのではなかという見込みや、生産年齢人口が多い地域であるという事によるのではないかと推察しました。竜巻の通り道の被災地区のあちこちに足場が組まれ、業者さん達がそこここで汗を掻いている姿が見られました。発災後半月でここまで業者さんが稼働しているというのも同じような考えでの事と見受けました。
9/21(日)
この日は西宮からのやって来たユニコンメンバー1名とさまざまな被災地で連携を取っている愛・知・人のメンバーなど計8名で吉田町のボラセンでマッチングをしてもらい神戸(かんど)地区のお宅で活動しました。台風が来るとはニュースで聞いていたがパラパラという感じだったので、雨戸も締めず夜勤明けで一杯飲っていたところ激しい風の音がしたかと思うと屋根瓦が次々飛んで割れる音が聞こえ、窓ガラスも次々に割れ風雨が吹き込んできたそうです。風速70メートル以上というのは本当に生命の危機を感じるようなものだったと家主さんは語っていました。こちらのお宅の庭木は根こそぎ倒れ、裏に設置していたアルミ製の物置は中身を満タンに詰めたまま玄関横まで転がってきていました。ブルーシートで覆われた家の中はかなりカビが繁殖している状況に既になっており、寝具衣類、家具と次々運び出し、分別して被災物の仮置き場に運びます。庭木も伐採、物置も解体して中身を取り出し、同様に分別して仮置き場に。一日作業して軽トラック7台分を搬出しました。一部家財は残っていましたが、廃棄する物と取っておく物をここからゆっくり検討したいということで、完了案件となりました。被災直後の状況でどこから手を付けてよいか当惑していたところから随分スッキリしたことで、今後の事を考えていこうという余裕が出てきたようでした。その明るくなった表情を拝見していると、被害認定の調査を待つより先に現状を整理したいという気持ちになるのも無理からぬことなんだぁと感じました。
9/22(月)
この日は単身、牧之原市のボラセンでマッチングを受けて作業しました。僕以外のチームメンバーは八王子、山梨、愛知から集まって来た4名です。1件目は細江地区の茶畑に飛散したゴミと倒木の裁断撤去です。軽トラ2台で向かいましたが、途中もう1台応援が来てくれて、午前中で作業を完了することが出来ました。お昼休みをボラセンで取って、午後からは同じ細江地区の別のお宅での作業となりました。こちらのお宅は窓ガラスが割れて庭や屋内に飛散してしました。既に作業に入ったことがあるお宅だったので、残置されていた家財を更に分別したり、庭に飛散したガラスや割れ瓦を集めたりしました。まず軽トラ1台の大物を仮置き場に運搬し、その間に3名で分別の作業などを進めておいてもらい、戻ったところで全ての搬出物を軽トラック2台に分ける形で積み込むというフローで進めましたが、仮置き場が結構遠いところなので、この時点でタイムアップとなってしまいました。軽トラに搬出物を積んだままボラセンに帰還し、翌日の作業とすることにしました。
9/23(火・祝)
昨日の残務を福井から来たボランティアさんと組んで完遂しました。仮置き場に行く途中に細江地区のお宅に寄り、濡れて使用できなくなった55インチのテレビをピックアップするという新たなニーズも加えて行いました。こちらのお宅は新築したばかりで本当に出来立てのホヤホヤという建物でしたが、やはり窓ガラスが割れ、屋内が雨で水浸しになったほか、若干傾いてしまった部分もあるようだということで、もう一度しっかりと住宅メーカーさんに検査してもらう予定という事でした。周囲にはまさに建築中のお宅もありました。引き渡しもまだということで、修繕については家主さんの負担にはならないのではないかと思いますが、災害に遭うタイミングでいろいろ明暗が分かれることがあることを改めて痛感しました。この日はこの案件だけ行い午前中で活動は終わりました。吉田町もですが、技術系ボラの案件は多いものの一般ボラさんが対応出来るニーズというものは減っているようでした。
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