【令和6年能登半島地震】チーム・ユニコン活動報告(2025/10/03-05)

皆様、こんにちは。認定NPO法人チーム・ユニコンです。

朝晩の空気に秋の気配が感じられるようになった10月、私たちチーム・ユニコンは第29タームの活動のため、石川県七尾市を訪れました。

能登半島地震の発生から時間が経過し、復旧・復興へ向けての歩みが少しずつ進んでいます。その中で七尾市では、本格的に公費解体が始まっています。家屋の公費解体を前にした家財の片付けは、住民の方々が次のステップに進むための非常に大切な作業となります。私たちは、そのお手伝いをさせていただきました。

活動概要

10月4日(土):雨の中、歴史と想いに触れる

この日はあいにくの雨模様。それでも、活動拠点の「おらっちゃ七尾」には30名ものボランティアが集まり、被災された方々のために力を尽くしたいという熱意に満ちていました。

私たちチーム・ユニコンのメンバー2名を含む10名のチームは、中島町のお宅へ向かいました。こちらのお宅は、2日後に公費解体が始まる予定とのことでしたが、家屋は広く、まだ多くの家財が残されている状態でした。

「今日できる限り、やれるところまで進めよう!」とチームで声を掛け合い、早速作業に取り掛かります。

母屋の奥にある棚を整理していると、一つの木箱が目に留まりました。そこには「昭和二年」の文字が。蓋をそっと開けてみると、中から現れたのはたくさんの美しいお椀でした。持ち主の方が大切にされてきたであろう品々を手に取ると、この家で紡がれてきた長い歴史の重みを感じます。

こうした、普段の生活では決して出会うことのないような歴史の一端に触れる瞬間は、災害ボランティア活動ならではの経験であり、大きなやりがいの一つでもあります。

私たちは15時30分頃まで集中して作業にあたり、翌日以降のボランティアさんたちへバトンを繋ぐ形で、この日の活動を終えました。

10月5日(日):2つのお宅で、未来へ繋ぐお手伝い

翌日は曇り空。この日も「おらっちゃ七尾」には50名ほどのボランティアさんが集結しました。

【午前の活動:木町のお宅】

午前中は、チーム・ユニコンのメンバー2名を含む8名で、前日から継続案件となっていた木町のお宅へ。チーム一丸となって作業を進め、無事に午前中で家財の片付けを完了することができました。

【午後の活動:中島町のお宅の蔵整理】

午後からは、メンバー1名が別のチームに合流し、新規案件である中島町のお宅へ向かいました。こちらでは、公費解体を控えた土蔵の2階部分に残された物品の仕分け作業を担当させていただきました。

蔵の中には、3竿ほどの立派な箪笥があり、中には昔から大切に保管されてきたであろう正絹のお着物がたくさん納められていました。また、大きな長持(ながもち)からは、かつて大勢の人が集まった際に使われたであろう、たくさんの陶器や漆器が出てきました。

一つひとつが、ご家族の思い出が詰まった大切な品々です。住民の方にお立ち会いいただき、丁寧に確認しながら作業を進めました。

中島町までは片道30分ほどかかるため、15時過ぎに作業を切り上げ、住民の方に作業内容の最終確認をしていただきました。特に扱いがデリケートな漆器類は、後日改めて回収にお伺いすることとし、その他の分別したゴミを軽トラック2台に積み込み、この日の活動を終了しました。

帰路にて思うこと

いつもは上信越道を通って東京へ戻るのですが、この日はリニューアル工事に伴う渋滞が悪化しているとのこと。そこで、急遽ルートを変更し、小杉から北陸道を北上して湯沢経由で帰ることにしました。

往復1000kmの長距離運転にも慣れが必要ですが、もともと運転は好きな方なので、「普段は寄れないサービスエリアで休憩できる」とポジティブに捉え、道中を楽しみながら帰京しました。

とはいえ、活動で疲れた身体に渋滞はなかなかしんどいものがありますね。工事が早く終わってくれることを願うばかりです(笑)。


ご支援くださる皆様へ

今回の活動は、社会福祉法人中央共同募金会の「ボラサポ・令和6年能登半島地震」からの助成を受けて実施いたしました。

そして、日頃より当法人の活動を信じ、ご寄付という形で温かいお気持ちをお寄せくださる全国の皆様に、心より深く感謝申し上げます。

皆様からいただくご支援の一つひとつが、私たちの活動の大きな原動力となっています。

被災された方々が一日でも早く穏やかな日常を取り戻せるよう、これからもチーム一丸となって活動に邁進してまいります。

今後とも、変わらぬご支援とご協力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。