台風15号に伴う竜巻被災地支援(2025年9月21-23日@吉田町・牧之原市)
久しぶりにブログを書きます!理事長の三城です。
今週末は9月5日に発生した竜巻で大きな被害を蒙った榛原郡吉田町と牧之原市に入り活動を行ってきました。
牧之原市では発災から半月経った9月20日から罹災証明の交付が始まり、全壊34棟を含むおよそ330棟の被害が認定されたようです。「ようです」という書き方をしたのはニュースリソースによって若干数字に差異が見られるためです。統計上日本最大と言われる今回の竜巻で対応の検討もされ始めているようではありますが、竜巻被害は従来より激甚災害指定のスコープに入っておらず、内閣府や総務省からも被害に関しての正式な発表は行われておりません。ただ、罹災証明の申請は21日時点で1177件と言われており、規模感などはこの2つの概数でご理解いただけるのではないかと思います。
この両地域に対し災害救助法の適用は行われておりますが、激甚災害指定がなされていないことが復旧・復興の方向性に対しても影響を与えているのではないかという事を今回現地で目の当たりにしました。
我々が支援に入る地域の多くは被害状況の認定が行われてから、どのようにボランティアが手を尽くすかという事を考えることが多いのですが、それはボランティアが現状変更をしてしまうと災害認定が不正確になるためで、被災者生活再建支援制度による支援金の支給額の目途を立てることが優先されることが普通です。
ところが、今回の両地域で活動していると全壊か、大規模半壊か、半壊かなどの判断を待つより、自費となっても早くに復旧したいという思いでボランティアの依頼をされている方が多いようでした。おそらく被災者生活再建支援制度の適用が難しいのではなかという見込みや、生産年齢人口が多い地域であるという事によるのではないかと推察しました。竜巻の通り道の被災地区のあちこちに足場が組まれ、業者さん達がそこここで汗を掻いている姿が見られました。発災後半月でここまで業者さんが稼働しているというのも同じような考えでの事と見受けました。
9/21(日)
この日は西宮からのやって来たユニコンメンバー1名とさまざまな被災地で連携を取っている愛・知・人のメンバーなど計8名で吉田町のボラセンでマッチングをしてもらい神戸(かんど)地区のお宅で活動しました。台風が来るとはニュースで聞いていたがパラパラという感じだったので、雨戸も締めず夜勤明けで一杯飲っていたところ激しい風の音がしたかと思うと屋根瓦が次々飛んで割れる音が聞こえ、窓ガラスも次々に割れ風雨が吹き込んできたそうです。風速70メートル以上というのは本当に生命の危機を感じるようなものだったと家主さんは語っていました。こちらのお宅の庭木は根こそぎ倒れ、裏に設置していたアルミ製の物置は中身を満タンに詰めたまま玄関横まで転がってきていました。ブルーシートで覆われた家の中はかなりカビが繁殖している状況に既になっており、寝具衣類、家具と次々運び出し、分別して被災物の仮置き場に運びます。庭木も伐採、物置も解体して中身を取り出し、同様に分別して仮置き場に。一日作業して軽トラック7台分を搬出しました。一部家財は残っていましたが、廃棄する物と取っておく物をここからゆっくり検討したいということで、完了案件となりました。被災直後の状況でどこから手を付けてよいか当惑していたところから随分スッキリしたことで、今後の事を考えていこうという余裕が出てきたようでした。その明るくなった表情を拝見していると、被害認定の調査を待つより先に現状を整理したいという気持ちになるのも無理からぬことなんだぁと感じました。
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2025年9月25日/作成者: ユニコンチーム